2015年10月9~26日
1レアル=約30円
ブラジル、サンパウロから北西に約600km離れたミランドポリスに位置する弓場農場。
ここは、1935年に弓場勇さんを中心として建設された「耕し、祈り、芸術する」共同農場です 。
共同農場とは、原則的に個人の私有のない、農場に属するもの全てを共同の財産として構成員で共有する、農業に基づいた共同体のことだそう。
現在の日本でも同じような共同体がいくつか存在しているようです。
今ではなかなか想像しづらいですが、昔、社会主義が力を持っていた時代には、同じような共同体がいろいろなところにあったそうです。
この弓場農場では伝統的に訪問者を受け入れていますが、とはいえ特別扱いはされません。
訪問者も弓場農場の一員として農作業に従事することになり、一方で共同体の一員として三食とベッドが提供されます。
旅行者の間では、働くことで食事、寝床を無料で手にすることができるスポットとして知られています。
無料で滞在できる上、余りに居心地のいいことから、ビザの期限を越えて滞在する人や、さらには移住してしまう旅行者もいるとか。
僕たちはもともと農業に興味があり、弓場農場は旅行に出発する前から訪れたかった場所。
今回は、10/9から2週間と少し滞在した弓場農場での生活についてお届けします。
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◯一日のスケジュール
・06:00~ 朝食
農場の朝は早い。
月~土は、朝6時に角笛が鳴り、それとともに犬が鳴き始めます。
人が集まった後、お祈りがあり、それからご飯やパン、コーヒーやヨーグルトなどを各自好きなだけ食べます。
僕たちは6時には起きることが出来ず、6時半ごろから朝食をとっていました。
朝食は食べても食べなくてもよく、中には全く食べないという旅行者の方もいました。
個人的には毎朝卵かけごはんを食べることができて嬉しかった。
食堂(コジーニャ) 食事はここでとる
・07:00~ 作業
多少のばらつきはありますが、基本的には7時から農作業が始まります。
作業は男女で分かれることもありますが、2週間の滞在で最も多かったのがオクラの収穫。
かぶれないよう長袖長ズボンに長靴、さらには帽子を被り、トラクターに乗って畑に向かいます。
特に女性は日焼け対策も重要らしく、上から下まで念入りに肌を隠している人が多いように感じました。
ちなみに服や手袋など、作業着は一式借りることが出来ます。
畑に出る時などは汗ビッショリになるので、一日に2度、3度と服を替えることもザラです。
完全防備
軍手、ゴム手袋など、全て貸してくれる
トラクターで畑に向かう
トラクターの後ろを付いてくる犬
上に向かって生えるオクラ
オクラの花
カボチャ畑
日本で見るような一般的なカボチャとは違い、とても大きい!重いものだと一つで30kgを越えるものも
・11:00~ 昼食
黙とうの後、好きなものを好きなように取って食べます。
午後の作業まで時間がある日には、のんびり昼寝をすることもできます。
・13:00~ 作業
午後の作業も色々あり、男女共同の作業にはオクラや唐辛子のパック詰めなどがあります。
収穫したばかりの大量のオクラ
それをパックに詰める
こちらは唐辛子 フルーティな香りがするので、子どもが間違って食べ、泣き出すこともあるとか
主に女性がやる作業としては、ジャム造り、福神漬けやしいたけの瓶詰め、ニンニクの皮むき、グアバの袋かけなど。
食べるゴマラー油を作っているところ
こちらはグアバのジャム作り
グアバ
新聞紙で実を包む
一方、男性は収穫やパック詰めの他、薪を採りに行ったり、枯れてしまったグアバの木を引っこ抜いたり。
基本的には力仕事が多いです。
コツもあるんだろうけど、60歳を超える方が楽々と作業している隣で、30前半の僕がヒイヒイ言っているのは悲しいものがありました。
一緒に仕事をしたブラジル人のBazinバジン
木や竹を切るのに使うチェーンソーの手入れをしているYさん
・18:15~ 夕食
夕食も黙とうをしてから。
朝も昼もそうですが、好きなものを好きなだけ取って食べるスタイルで、基本は野菜中心のメニュー。
そしてこの野菜がとても美味しい。
旅行中は節約のためもあって食事の量を減らしているのですが、ここでは何度もおかわりしてしまうほど。
もちろん肉や魚も出ます。
10日に1回ほどの割合で飼育している豚を解体し、シュラスコ(焼肉)やロールキャベツなどを作るそうです。
僕たちが到着した次の日に豚の解体が行われていて、作業を見せてもらいました。
毛を剃られてツルツルになった美白の豚を、10代の男の子が手際よく捌いていく姿は、たくましさを感じさせました。
・夕食後
夕食後は自由時間で、テレビでNHKの朝ドラを見る人、将棋を指す人、歓談している人など様々。
僕たちは日中の作業が体に堪え、特に一週目は毎日筋肉痛で体のあちこちはパンパンで、お風呂に入ってすぐ寝る生活。
ちなみに19時からお風呂に入ることができ、浴槽もあるので一日の疲れを癒すことが出来ます。
2週目からは体が大分慣れてきて、夜遅くまで農場の人や旅行者と飲んだり話したりして楽しく過ごしました。
なお、日曜はお休みです。
6時から朝食、11時から昼食、18時15分から夕食というのは変わりませんが、午後14時半からケーキやピロシキなど軽食が出るカフェ(おやつ)の時間があります。
僕たちは体を休めるため、ひたすらのんびりしていました。
◯芸術活動
弓場では芸術活動も盛んで、夕食後に合唱やバレエなどの練習をしている人も大勢います。
旅行者も希望すれば参加することができ、長期滞在している方の中には役をもらって舞台に立つ予定だという人もいました。
またギターやピアノもあり、作業の合間にピアノを弾いている方を見かけることもあります。
他にもギター工房、陶器の工房、それに野外の彫刻展示スペースなどもあり、単に農作業を体験するというだけでなく、色々な文化芸術に触れることもできます。
HPに「耕し、祈り、芸術する」という記載がありますが、実際に日常の中に芸術活動が溶け込んでいるのを見て、不思議な感じを受けました。
野外の展示スペース
久しぶりのピアノ
◯食事
弓場で提供される食事の多くは、農場で作られたもの。
約70%の自給率を誇っているそうで、外から買っているものはごま油などの調味料やお酒など、わずかなものだそう。
米、味噌、納豆など伝統的な日本食も、フェジョアーダなどブラジル料理も、どちらも手作り。しかも材料はほとんどが農場で作られたもの。
僕たちは2週間と言う短い滞在でしたが、それでも自分たちの手で収穫したオクラや、手作りのジャムなどを食べた時には美味しさもひとしお。
毎回の食事が楽しみでした。
シチュー クリーミーな味がとても美味しく、3回おかわりしてしまった
炊き立てのご飯とたっぷりの野菜 味噌汁も美味しい
◯宿
農場には旅行者用の建物があり、僕たちはそこで一部屋借りて宿泊させてもらいました。
旅行者が泊まる建物
部屋
自然豊かなところに位置しているだけあって、夜になると虫がたくさん出てきます。
特に夜、電気をつけていると部屋の中は虫だらけに。
蚊帳を用意してくれているので、寝ているときの虫刺されはあまりありませんでしたが、たまにブンブン部屋の中を飛び回っている虫の音で目が覚めてしまうことがありました。
また雨が降ると雨漏りすることもあり、現地の生活をしているな~と感じさせられました。
建物の前にいた色鮮やかなトカゲ
次回は弓場での仕事以外の生活について紹介します。
Hiro
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