2015年9月15日
1アルゼンチンペソ=約8円(闇レート)
アルゼンチンで頭を悩ませることの一つが為替レート。
中央アジアのウズベキスタンなどでもこの問題はありましたが、この国でも公定レートと闇レートには大きな差があります。
日本ではまず聞くことのない「闇レート」「ブラックマーケット」という少し危険な雰囲気の言葉。
暇に任せて調べてみたので、備忘メモ的に書いておきます。
なおコムズカシイ話が多く、間違っているところがあったらごめんなさい。
間違いに気付いた方がいらっしゃればぜひご連絡ください。
24時間オンライン予約可能★世界中のオプショナルツアー取扱VELTRA
○そもそも闇レートって何?
いくつかの国、特に(旧)社会主義の国では政府(もしくはその傘下にある機関など)が為替レートを決めています。
この政府が決めたレートを「公定レート」「公式レート」などと呼び、これらの国で両替する場合、公定レートを用いなければなりません。
この公定レートに対し、それ以外のレートを闇レートと呼びます。
○なぜ闇レートがあるの?
政府などが決めた公定レートが適正な水準(その国の経済力その他の要素から考えてボチボチなところ)であれば、公定レートとその辺で両替するレートに大きな差はなく、旅行者にとっても問題にはならないと考えられます。
問題なのは公定レートが適正な水準からかけ離れた時。
例えばウズベキスタン。
公定レートがUS$1あたり約2,700スムのところ、闇レートだと約3,900スム(2015年2月時点)。
ウズベキスタン政府としては「1ドルは2,700スムとしか交換しない!」って言うのだけれど、残念ながらスムにはそんな価値がないんですね。
価値がないものを政府が無理矢理高いって言ってるイメージ。
なのでドルを持っている人はそんなレートでは替えたくない。
ウズベキスタンスム 札束なので金持ちになった気分
実際は100ドル分。
そこに登場するのが闇両替と呼ばれる人々。
彼らは政府などが一方的に決定したレートではなく、一般の人が欲しがる適正な水準に近いレートで両替してくれます。
ちなみに彼らは公定レートと闇レートの差をうまく利用して稼いでいるそう。
補足ですが、公定レートが適正な水準からかけ離れる理由には色々あるようです。
アルゼンチンの場合、 2000年代にデフォルト(債務不履行。要は借金が返せず首が回らなくなったイメージ)になり、外債返済などのために政府が為替をコントロールしています(管理フロート制?)。
しかしながら実態経済が思わしくなく、アルゼンチンペソに対し外国のみならず自国民の信用も下落していることなどが要因のようです。
○闇両替はOKなの?
違法です。
なんだけど、ウズベキスタンやアルゼンチンでは警察も黙認に近いのではないでしょうか。
旅行者としては闇両替を利用しないと出費がえらいことになってしまいます。
今までこういった国で公定レートで両替してる旅行者に会ったことはありません。
そもそもモノの価値や値段は買い手と売り手の交渉で決めればいいのに、国が無理矢理決めた不合理なレートを強制するところに問題があるような気がする。
なので個人的には闇レートではなく、単にマーケットレートという呼び名の方が正しいと感じます。
○闇両替ってどこでするの?
ブエノスアイレスであればカフェやブティックが集まるフロリダ通りを始め、中心部にたくさんいます。
ウズベキスタンのタシュケントであればチョルスーバザール周辺に札束を抱えた男がウロウロしてます。
要は、人が集まるところには闇両替商がいるってことですね。
ウズベキスタンのチョルスーバザールにて 頑張って交渉中
ウズベキスタンの時は、道で堂々とお札を出し合いました。
○闇両替で注意することは?
そうは言ってもあくまで違法行為なので、警察に見つからないようにする必要があります。
中には警官とグルで、両替している間に仲間の警官が来て旅行者のお金を巻き上げるケースもあるようです。
また基本的にレートは交渉で決まるため、事前に調べておかないと不利なレートで交換するハメになります。
僕らは宿の人や他の旅行者に聞いたり、何人かの闇両替商と実際に話して大体のレートを確認しています。
なおレートは日々動くので、少しでも有利なレートで両替するなら情報収集が欠かせません。
他に注意することとして、偽札をつかまされる、ボロボロで使えないお札を渡される、お札をちょろまかされるなどがあります。
偽札は置いといて、後者二つはその場でちゃんと確認すれば回避できます。
僕らは必ず先にお札を受け取り、自分で一枚一枚数えた後でこちらのお札を渡すようにしています。
この一年半の旅の間で、トラブルにあったことはありません。
昔、バスの時間が迫っていて急いでおり、先にこちらのお金を渡してしまった。
結果として10ドルぐらいちょろまかされたことがあったな。。
○お金の管理は?お金はどうやって持っていく?
こういった国では、今まで頼ってきたATMが実質的に利用できません(理由は後述)。
そこで僕らは米ドルの現金、しかも出来れば100ドル札を持っていくことにしています。
100ドル札なのは、少額紙幣に比べると高額紙幣の方がレートがいい場合が多いからです。
空路で入る場合、バンコク/タイのスワンナブームやドバイ/UAEなど、空港によっては米ドルやユーロなど複数通貨の引き出しが可能なATMを見かけました。
この場合だと直接米ドルが引き出せて便利です。
一方ヨハネスブルク/南アフリカやナイロビ/ケニアの空港ではそんなATMはありませんでした。
そうすると現地通貨で現金を引き出した後、米ドルに両替しなければならず、手数料が無駄になってしまいます。
陸路の場合、隣国の通貨であれば闇レートで両替することも可能だと思います。
が、僕らはどうにかして米ドルを入手してからそういった国に入るようにしています。
というのも計算が面倒。
パラグアイの通貨グアラニーを米ドルに換算し、それを闇レートで計算すると何ペソになるんだ?…なんて考えると混乱してしまう。
なので基本、米ドル。
半年ほど前、中央アジアでウズベキスタン~トルクメニスタン~イランと実質的にATMを使えない国が続いたので、大金をお腹に隠し持ってました。
そのあたりの国は治安が悪くなく、結果として問題はありませんでしたが、治安が悪い国だと大金を抱えて歩き回るという悲惨なカモネギ状態になります。
特にこれから行く予定のベネズエラ。
そもそも治安が悪い上、モザンビークやキルギスのように悪徳警官で満ち満ちているようなので、なかなかスリリング。
○クレジットカードやATMは使える?
ウズベキスタンでもアルゼンチンでも使えます。
ですが適用されるレートは、公定レートに基づいてカード会社が定めたもの。
従って不利です。
またホテルなどを予約する場合、事前にカード決済すると不利なレートが適用されるため、現地通貨での現金払いに比べて高額になってしまいますので注意が必要。
なお予約確定のためデポジットとしてある程度前払いが必要な宿もありますが、メールで事情を説明し、デポジット無しで予約をしてもらってます。
こういった国ではカードの使用は最低限にしています。
○闇レートのある国で他に注意することは?
飛行機で到着した場合、市内まで行くのにたいてい現地通貨が必要です。
ですが空港のレートは公定レート、つまり不利なレートであることが多いです。
空港で両替する場合、僕らは最低限しか両替しないようにしています。
まあこれ、闇レートがある国に限ったことではないですが。
以上を踏まえ、ブエノスアイレスでの僕らのケース。
ブエノスアイレスに着いた翌日、Hotel PARADAのスタッフに聞くと、フロリダ通りで闇両替ができ、レートはUS$1が14ペソぐらいとのこと。
フロリダ通りに行ってみるとすぐに「カンビオ!」と叫ぶ男たちが寄ってくる。
カンビオとはスペイン語で両替のこと。
フロリダ通り あちこちに闇両替商がいる
数人にレートを確認すると、みんな15ペソで統一。
話し合って決めてるのかな?
16ペソにしてよと言ったらクレイジーと鼻で笑われ相手にしてもらえませんでした。
何人かと交渉し、15.2ペソで妥協。
OKと伝えると何やらビルの一室に連れ込まれる。
ウズベキスタンとは違い、路上で堂々とはやらないみたい。
立派なビルの一室で、パスポートチェックまで受けました。
結構儲かるんだろうなぁ。
無事に両替終了。
アルゼンチンペソ
ちなみにアルゼンチンでは10ドル札などの小さな金額のお札はレートが悪く、100ドル札はレートが良くなりました。
なので100ドル札を用意しておくのがベター。
その後、通りにあった正規の両替商で聞いてみると9.2ペソ!!
その差は1.5倍以上。
具体的に見てみます。
昨日買った白ワインが1リッターで12ペソ(紙パックに入った安物…)。
闇レートだと約US$0.8、日本円で約95円。
公定レートだと約US$1.3、約155円。
この違いは僕らにとってあまりにも大きい。
これを得したと捉えるのか、損をしなかったと捉えるのか、どちらが正解なんでしょうね?
まあ旅行者だから気楽なものですが、アルゼンチンで働いてて給料がペソだった日には死活問題ですね。
闇両替が旅行者にとって有利なのか不利なのかよく分かりませんが、面倒なことは間違いない。
長々と書いてきましたが、最後に闇両替についてのまとめ。
1.公定レートと闇レートがある場合、闇レートの方がお得。
2.お得な分、警官や偽札などのリスクがあるので要注意。
3.銀行、空港での両替や、ATMでの引き出しでは公定レートが使われるので不利。
4.闇レートが存在する国に行く前には、米ドル(もしくはユーロ)が必須。
国境を越える前に、闇レートが存在する国なのか、前もって調べておきましょう。
Hiro
ブログランキングに参加しています。
良かったら一日一回の応援クリックを宜しくお願いします♪
↓↓↓
にほんブログ村
海外格安航空券の最安値検索なら スカイチケット!